社会福祉法人 未来福祉会 上府あおぞら保育園

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園長ブログ

2020.11.14

デス・エデュケーション

太陽の位置で1年間を24の季節に分けた言い方を二十四節季といいます

秋は三秋 三つに区分し示されています

「初秋」「仲秋」「晩秋」の三秋

これから「晩秋」に向かいます

 

人生を四季に例えたのは中国の「五行説」

「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」

10代~20代を「春」

30代~50代を「夏」

60代を「秋」

70代~を「冬」と表したのは紀元前のこと

今は寿命も延び60代も働き盛りです

 

今週2名の方の訃報に接し 生と死について立ち止まって

考える機会を与えられました

10日火曜日 99歳で亡くなられたK.K.さん

そして昨日は義母が90歳でこの世を去りました

 

K.K.さんは20歳前に韓国(当時は日本の植民地下)から

九州に渡り 筑豊での炭鉱労働と結婚生活

戦後 博多港からの帰国をやむなく断念

博多の街で生涯過ごされました

祖国では学校で学ぶ機会も与えられず

日本に渡って来ても学ぶ機会はどこにもありませんでした

戦中戦後の混乱の中 韓国語と日本語を音声言語としては使えても

文字言語としての読み書きができないまま非識字者となりました

私がKさんと出会ったのは福岡市の自主夜間中学「読み書き教室」

子どもが小学校に入学した時、一緒に教科書で勉強しようと

奮い立つも仕事も忙しく思うように覚えられず

お孫さんの入学に合わせて今度こそと思いながらもままならず

既に60を超えてなお町中の看板やバスの表示 薬の名前の文字を読めず

文字のない世界で言葉だけを頼りに仕事をし生き抜いてこられました

そんな非識字者の方たちのために市立中学校の教室を使って

文字を教える「よみかき教室」が開設されたのです

集まられたのは20名を超える高齢者の方々

混沌とする歴史の狭間で学ぶ機会を奪われた人たちが多くいます

教えるのは学校の教師や会社員 大学生などのボランティア

孫ほどの年の差のある教え学ぶ関係からは様々な気付きがありました

字を教えながら社会の様々なことを教えられること

「学ぶことは生きること」ということ

Kさんは開校時から学び続けてひらがな・カタカナ・漢字の多くを習得し

手紙や作文を書き 新聞も読めるようになり 自分史も書きました

99歳の人生は生活苦や差別の苦しさを味わいながらも

晩年は「学ぶ」ことを通して多くの本に出会い

毎晩仕事の後で文字の練習をしたノートの冊数は数えきれないほどに

多くの学びの友との出会い 別れ 全国の夜間中学生との交流

修学旅行や日直といった「学校」生活も楽しまれました

「字を覚えてからは目の前が白黒からカラーになったようでした」

「食べもの屋さんでメニューの字を読め初めて注文したうどんの味が忘れられません」

「病院に行って受付で名前を書けるようになり 書けないことを隠さなくて

よくなりました」当たり前に字を読む者にはわからない感動や感情の世界

本当に豊かな人生でしたね ご苦労様でした

 

昨日 2週間の入院生活の後 息を引き取った義母

中学校国語教師を退職後 町の保護司をされました

教師時代の話はいつも学校が非行問題で荒れた頃のことばかり

突っ張っていた生徒のことを何度も聞かされました

卒業式の時「お礼参り」と称して先生へ「仕返し」する生徒たちが

「先生 あんたはいつもちゃんと俺たちと話して真剣に叱ってくれた」

「先生はこの学校にずっといてくれんと困る」と泣きながら挨拶に来てくれた…

保護司の頃の事も罪を犯した少年の本当の優しさに触れられた話

「教育は赦しである」を絵にかいたような教師人生だったようです

最後の3日ほどは酸素吸入器に支えられ 目も開かず

声をかけると頷くような‥ そして突然止まった心臓の鼓動

「いずれ人はこうして与えられた命を終わっていくものよ」と

身をもって教えてくれているような最後を看取ることができました

 

デス エディケーション 訳すれば「死の準備教育」

欧米では就学前から小中学校等もで取り組まれています

「死を見つめることは、生を最後までどう大切に生き抜くか

自分の生き方を問い直すことだ」とは 上智大教授のアルフォンス・デーケン

幼い子どもたちも日常的に死と向き合っています

小さな昆虫の死 潰される毛虫や蚊 叩き潰されるハエやゴキブリ

今は少なくなった親族の葬儀や法事の場

子どもたちは子どもたちなりに社会や生き物について学びたいと思っています

「死んだらどうなるの…」

すべての生き物には死が訪れることを学ぶ必要があります

死について子どもと語り合う保護者・保育者は

子どもが信頼する人間でなければならないといいます

子どもは幼い時から周りの大人の態度 身振り立ち居振る舞いを読み取り

声の調子の変化や表情の変化を知ることを学んでいきます

相手が誠実か不誠実か 本気か偽りかも分かってしまうのです

何が現実でなにが空想であるのか 子どもの理解を支えるのは事実と真実

宗教教育とは異なり 死を定義するためには曖昧ではなく

具体的な言葉を用いるべきとも言われています

・死後には体がもう思うようには動かなくなること

・心臓が鼓動(血液を送り出すポンプの働き)をやめてしまう

・食べたり眠ったりする必要もなくなること

・痛みも感じなくなり 身体をもう必要としなくなり

・そのままにしておくといけないので焼いて骨だけにする

・亡くなった人のご恩を忘れないために骨をお墓に納め感謝する

死を忌み嫌い 避けるのではなく

お世話になった方の死を悼み 喪に服することは子どもにも大切なこと

何れなくなる生 死の訪れを自覚することにより

今ある命を精一杯生きることの意味と大切さを教えることが

デス エディケーションです

 

私事のブログですみません

晩秋の福岡をどうぞお楽しみください 私の住む篠栗町も紅葉がきれいですよ

それではごきげんよう

 

 

 

 

 

 

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